そう、トレイルランニングである。
思い返してみると、山や自然に傾倒するようになったきっかけは、登山ではなくじつはトレランだった。まず最初に近所の低山を走るようになり、でもよくよく考えると走りたいわけではなく自然のなかに身を置きたいんだなと自覚するようになって、登山へと移行していったのである。
そしてまた、数年の歳月をへて、トレランがはじまった。 とはいっても、完全にシフトするというわけではなく、山遊びの一環としてトレランもやるのである。
なぜまた興味をもったのか。
「ベアフットランニング」に惹かれたのである。 べつに走ることが好きなわけではない。ベアフットランニング、要は裸足感覚で走ることに興味を覚えたのだ。
僕の浅い浅い知識でざっくり説明すると、この走法は、従来の「かかと着地」ではなく、「前足(フォアフット)着地」であるのが特徴。フォアフットランニングやナチュラルランニングとも言われている。
かかと着地だと衝撃が大きすぎるため、自ずとソールのかかと部分は厚くなる。でも本来人間には衝撃を吸収する機能が備わっており、それを有効活用するのがフォアフット着地。この走り方のほうが自然であり、体への負担も少ないというのである。
垂直跳びをしたときの着地のシーンを想像してほしい。かかとから着地する人がいるだろうか?だれもが衝撃を吸収するために、フォアフット着地をするはずである。
まあ僕にとっては、善し悪しとか、負担の大小は大した問題ではない。それよりもなによりも、人間の能力を最大限に活かすところ、モノに依存するのではなく自分自身を頼りにするところに、この上ない面白さを感じたのだ。
以前のエントリーヨセミテに見る私的景色論に僕の性癖を書いたが、ウルトラライトやマニュアル車が好きな理由と同じなのである。そして、どうせ走るならロードじゃなくてトレイルがいいと思ったのだ。
ベアフットランニング用のシューズも手に入れた。イノヴェイトのトレイルロック235。ゼロドロップ(かかとからつま先までの落差がゼロ。つまりぺったんこということ)のシューズである。
最初は、慣れない走り方から来るふくらはぎ痛に悩まされたが、1〜2週間でコツを掴み、いまでは気分よく走っている。
これから、山遊びのひとつとして、トレランもガンガンやっていきたい。