叫びたくなるときもある。

山で叫ぶとなれば、そう、ヤッホー!である。なぜヤッホー!と言うのかは、ヨーデルの掛け声だとか、キリスト教宣教師の叫んだ言葉だとか諸説あるようだ。では、何の目的で叫ぶのか?辞書的には、1.仲間への合図 2.喜びの表現 らしい。

ただ、仲間への合図のために山でヤッホーと言っている人を、私は見たことがない。街でならあるが・・・(学生時代、会うと「ヤッホー!」と挨拶するキテレツな女性がいたのだ。当時は「ここは山かっ!」とイラッとしていたが、いま思えば使用方法は間違っていないのかもしれない)。

個人的には、山頂に着いたときの開放感と達成感から、ヤッホー!と叫びたくなるのだと思っている。意味合い的には『やったぞー!』という感じだろうか。

そう考えると、別に山じゃなくてもヤッホー!と叫んでもいいはずである。実際、私も前職時代、幾度となく叫びたい衝動にかられていた。さすがに大勢の社員がいる日中はできないが、深夜残業の際は叫んだこともあった(さすがに、ヤッホー!ではない)。もちろん、仕事が片付いた、あるいは、ひと段落ついたときにである。なんのきっかけもなく唐突に叫んでいたら、ただの変態である。

その昔、こんなことがあった。20代前半。駆け出しコピーライター時代。出来の悪い私は、連日連夜、上司H氏に怒鳴られていた。心が折れかけているのでは?と心配したボスK氏(さらに上の上司)が、ある日、私を飲みに誘ってくれたのだ。

ありがたい話をたくさんいただいた。唯一いまでも憶えているのは、「ネヅよ。人間、外に出す行為っていうのは、なんでも気持ちいいもんなんだ」という言葉。具体例もたくさん挙げてくださったが、諸々の事情からここでは割愛させていただく。それにしても、けだし名言である。ボスの名誉のために言っておくが、もちろん、話の趣旨は “仕事のやりがいについて” である。

結局のところ、叫ぶ(声を外に出す)という行為は、気持ちがいいのである。目的やらなんやらは抜きにして、人間の本能が求めているのだ。

というわけで、私は今日も叫ぶのであった。

 

※1606.3mile(約2570km)地点の街、Etnaより。そういえば、声が大きいとよく言われていた。本能が抑えきれないのだろうかと心配になってきた根津。

 

叫びたくなるときもある。” への8件のコメント

  1. なんか寝れなくて根津さんの日記読んでました。
    根津さんのたんたんとした文が心地よいです◎
    Kさんの名言…さすがですね(−_−#)

    • 「ネヅの文章を読んでると、すぐ眠くなるからいいよね!」
      とならないように、ガンバリマス。

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