スタート

成田空港に着き、いよいよ人生初の国際線。すでに気分は海外モード。とりあえず、『はじめての海外』的な本を読んでみる。搭乗後、通路をふさいでいたオジさんがいたので、さっそく「Excuse me!」。オジさん振り向く。明らかに日本人・・・。日系人のフリを決め込む。

「堕ちたりしないだろうか・・・」という私の不安をよそに、飛行機は無事、乗継ぎを経てサンディエゴに到着。迎えに来てくれていたスカウトさんの車に乗る。そう、スタート前日は、スカウト宅に泊まるのだ。彼は『トレイルエンジェル』と言われるハイカーのサポーター。ボランティアでこういった援助をしている。アメリカならではの素晴らしい文化だ。

私が訪ずれた日は、40名くらいのハイカーがいただろうか。当たり前だが、会話はすべて英語。若干パニック気味だが、挨拶ならできる。「Nice to meet you. My name is “Taka”. And what is your name?」の多投である。

おかげで、少しずつ「Hi “Taka”!」と呼ばれるように。滅多にいない東洋人だから覚えやすいのだろう。しかしだ。逆はタイヘンなのだ。誰が、トムでウォレンでピーターでダニエルか、さっぱりなのである。だから、声をかけられたら 得意の“また会ったね”スマイルで凌ぐしかないのであった。

そんなこんなで、一夜が明け、朝6時前にクルマで出発。数十分後、ついにスタート地点であるメキシコの国境前に着いたのであった。躰の奥底のほうから、感情が込み上げてくる。ただただ、ここに立てたことが嬉しい。トレイルを一歩たりとも進んではいない。しかし、スタートラインに立たなければ、何事も始まらないのである。そこに立った者だけが、前に進む権利を得るのだ。

スタート” への7件のコメント

  1. うわー、なんかもう、わくわくするね。ねっちじゃなくて、タカなのね。タカーー!!

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